逃げることは悪いこと?僕が学んだ「逃げる勇気」の大切さ

生きづらさ

逃げることは悪いことか

僕は「逃げること=悪いこと」だとは思っていなかった。ただ、一度逃げたら逃げ癖がつくのではないかとか、逃げることで他人の目に目立ってしまうのではないかという不安はあった。それに、日本人の悪い面かもしれないが、何事も最後までやり抜くことが美徳とされ、途中でやめる人は「根性がない」「無責任」と言われがちだと感じていた(ひと昔前の話で、今はそこまででもないが)。こうした価値観を持っていたため、苦しい環境にあっても「逃げてはいけない」と自分を縛っていたところは確かにあった。

逃げなかったことで心身が壊れた経験

実際、僕は一度「逃げなかった」ことで大きな代償を払ったことがある。過剰な仕事量と人間関係の板挟みで毎日が苦痛だったのに、「ここで辞めたら負けだ」と必死に耐え続けた。結果として体調を崩し、会社を休職せざるを得なくなった。もしあのとき「逃げてもいい」と思えていたら、もっと早く回復できていたはずだと今でも感じている。

「逃げる=悪」と思い込む社会の背景

なぜ僕らは「逃げることは悪だ」と思い込んでしまうのだろうか。冒頭でも述べたが、日本の教育や社会に根付く「我慢は美徳」という価値観が影響していると思う。部活での厳しい練習、長時間労働を称える風潮、どれも「逃げずに頑張ること」を前提にしている。しかし、それがすべての人にとって正しいとは限らない。

逃げることは「自己防衛の選択肢」である

休職を経験したあと、僕は「逃げることは一つの正しい選択肢」だと考えるようになった。危険な場所から逃げるのが当然であるように、心身に害を及ぼす環境から距離を置くことは当たり前の行為だ。逃げることは「自己防衛の手段」であり、長く生きていくためには必要不可欠だと実感した。

逃げることで新しい道が開ける

僕は逃げたことがきっかけで、別の仕事に挑戦できた経験がある。当時は「自分はダメだ」と落ち込んだが、時間が経って振り返ると、その逃げがなければ今の自分にはつながっていなかった。逃げることで見える世界は確かにある。むしろ、逃げなければ見えない道もあるのだと思う。

周囲の目が怖くて逃げられないとき

とはいえ、逃げるときに一番気になるのは「周囲の目」だろう。僕も「同僚にどう思われるか」「家族に迷惑をかけないか」と不安で動けなかった。しかし実際に逃げてみると、案外周りは自分が思うほど気にしていなかった。むしろ「よく決断したね」とか「負担をかけて申し訳ない」と声をかけてもらえたこともあった。正直、申し訳なくてもっと罵ってくれと思うくらいに皆優しかった。本当にありがたいことに、自分の周りには良い人がたくさんいるのだと実感した。

逃げることと甘えの違い

「逃げると甘えになるのでは?」という疑問もよくある。僕もそう思っていた時期がある。しかし、甘えは「できることをやらないこと」であり、逃げることは「できない環境から距離を取ること」だ。両者は似て非なるものだと感じている。むしろ無理に耐え続けることの方が、結果的に周囲に迷惑をかける場合が多い。逃げることで立ち直り、また挑戦できるなら、それは甘えではなく勇気ある選択だと思う。

逃げても人生は続いていく

僕が強く伝えたいのは、「逃げても人生は終わらない」ということだ。逃げる前は「ここをやめたらもう終わりだ」と思い込んでいたが、実際には新しい出会いや経験が待っていた。むしろ、逃げることでしか得られない未来がある。だからこそ、苦しいときは「逃げてもいい」と自分に言ってあげてほしい。

まとめ:逃げる勇気があなたを守る

逃げることは決して悪ではなく、自分を守る大切な選択肢だ。逃げることで新しい道が開けることもあるし、人生を長く豊かに続けるためにも必要な行為だと僕は思う。大事なのは「逃げることを選ぶ勇気」を持つことだ。もし今、逃げたいと感じているなら、それは自分の心が発しているSOSなのだろう。どうかその声に耳を傾けてほしい。
周囲の評価より、自分の健康や人生を優先することが何よりも大切なのだから、人生で一度くらい逃げてみたって良いと思うのだ。

楽にいきましょう。

あとがき

後で調べてみると、「我慢は美徳」という考え方は英語で「Patience is a virtue」という表現で表されるとのこと。世界的にも広く使われている表現らしい。ただし、日本においてはこれが「自己主張の欠如」につながっていると個人的には思う。不満があっても自分を犠牲にして調和を保とうとする、日本人らしい価値観ではあるのだろう。しかし、そうやって自分を犠牲にしても結局は自分が損をするだけだと僕は気づいた。なかなか難しいことではあるが、言いたいことは本当に言った方が良い。黙っている人の方が損をするということは、この人生で学んだ間違いない真実なのだから。

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