他人と比べてしまうとき

人間関係

他人と比べる気持ちは自然なもの

人はどうしても他人と比べてしまう生き物である。友人の昇進、同年代の結婚や出産、マイホーム購入の話。そうした情報を耳にすると、自分の立ち位置が揺さぶられる瞬間がある。

僕自身も例外ではない。同年代の人が出世したり、家を買ったりする話を聞くと、「自分は遅れているんじゃないか」と不安になることがある。とはいえ、僕は出世に興味がない。全くないわけではないが、管理職になる意義をどうしても見いだせない。労働時間は長くなり、責任は増えるのに、給料はそこまで上がらない。はっきり言ってコスパが悪いとしか思えないのだ。

以前、上司から「同期が昇進して悔しいと思わないのか?」と尋ねられたことがある。正直、悔しくはなかった。昇進したいと思って仕事をしていないからだ。僕が仕事をするのは「しなければならないから」であって、「したいから」ではない。何かになりたいと思って働いているわけでもない。ただ、頼まれた仕事はきっちりこなす。それが礼儀だと思うからである。

なぜそう思うようになったのか、正確には分からない。ただ、働き始めてから出会った上司たちは、例外なく「必死に働いている」人ばかりだった。その姿を見て、「自分はこうなりたくない」と思ったのは確かだ。また、役職を持たない人のほうが楽しそうに働いている姿も印象に残っている。そうした経験が、今の価値観につながっているのだと思う。

比べやすい人の特徴

他人と比べることが多い人には、ある種の共通点があるように思う。

  • 責任感が強く、真面目な性格
  • 周囲の評価を気にしやすい
  • 自分に厳しく完璧主義になりがち
  • 努力すれば報われると信じている

こうした特徴を持つ人は、無意識に他人と比べやすい。自分を奮い立たせるために比べることもあるだろうが、過度になると心をすり減らしてしまう。

僕自身も、どちらかといえば周囲からどう見られているかを気にするタイプで、学生時代から「自分はうまくやれているだろうか」と考える癖があった。誰かと比べることで安心したり落ち込んだりする。そういう意味では、僕も典型的な「比べやすい人」なのだと思う。べやすい。自分を奮い立たせるために比べることもあるだろうが、過度になると心をすり減らしてしまう。僕自身も、周囲からどう見られているかを気にするところがあり、つい比べてしまう場面は少なくない。

他人と比べることで生まれる苦しさ

比べることでやる気が出ることもある。例えば、勉強やスポーツでは「負けたくない」という気持ちが原動力になることがあるだろう。しかし、大人になってからの比較は、必ずしも前向きな力にならない。

同期が昇進したと聞けば「自分はダメなのでは」と思い、同年代が家を建てたと聞けば「自分は遅れている」と感じる。けれど、実際のところ僕は昇進にもマイホームにもそこまで関心がない。冷静に考えれば比べる必要がない部分で比べて、勝手に落ち込んでいたのだ。これほど無駄なことはない。

比べる癖がついてしまうと、「本当は求めていない幸せ」まで欲しいと思ってしまう危うさがある。自分にとって価値がないものに、周囲の基準に合わせて価値を見出そうとしてしまうのだ。その結果、自分の軸を見失い、どんどん苦しくなる。

自分の軸を取り戻す

比べる苦しさから抜け出すには、「自分の軸」を持つことが大切だ。僕の場合、その軸は「無理をせず、なるべく楽に生きる」ことだ。

他人がどれだけ昇進しても、どれだけ大きな家を建てても、僕は自分にとっての快適さを優先する。背伸びをしてまで得るものは、結局長くは続かない。むしろ、それを維持するために新しい苦労が増える。

もちろん、比べる気持ちが完全になくなるわけではない。人間である以上、どうしても比べてしまう瞬間はある。それでも「自分は自分のペースでいい」と思えると、心はずいぶん軽くなる。

比べることから自由になる工夫

僕が日常で意識している工夫を挙げてみる。

  • 小さな達成感を大事にする
    大きな目標ではなく、日々の小さな進歩を意識する。家族と穏やかに過ごせた日も立派な成果だ。
  • 「やらなければならない」ではなく「やってみたい」で動く
    義務感よりも好奇心を軸にした方が、自分らしい選択ができる。
  • 自分の幸せを人と共有しすぎない
    幸せは比較されることで形を失いやすい。大切なのは「自分がどう感じているか」である。

これらを意識するだけでも、比べる気持ちはかなり和らぐと実感している。きる。自分の軸を取り戻せれば、他人の人生に振り回されることも減るはずだ。

まとめ:比べなくても人生は進んでいく

人は他人と比べてしまう生き物である。それ自体は悪いことではない。だが、比べすぎると心が疲れてしまう。

僕自身も比べてしまう瞬間はある。けれど、最終的には「自分は自分のままでいい」と思うようにしている。比べなくても人生は進んでいくし、必要以上に苦しまなくてもいいのだ。

大事なのは、自分の軸を持ち、自分のペースで歩むこと。周りと比べるよりも、昨日の自分より少し楽になれていれば、それで十分だと思う。

楽に生きたいよね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました